Hand Press YWZ-9 "よしうつぞう"の紹介
YWZ-9 は自動取り付け機(アタッチングマシーン)で広く使われているソケット型9.5mmタイプの打コマを使用出来る当店オリジナルのカスタムハンドプレス機です。愛称を"吉打造/よしうつぞう"としました。
従来型のコマではカバーしきれない特殊な形状のボタン、リベットは多く存在し、それらを簡易なハンドプレスという方法で使用出来るメリットは少なくありません。
また、従来のネジ式コマへの変換も簡単なタダプター交換で対応でき、KOMA-58V3,KOMA-6RBといった低価格なコマも利用できるので、いくつかの後述します注意点はありますが、小さな工房などではコストパフォーマンスにも優れたものと思います。
"吉打造"はこのようなケース(作業)に適しています。
・自動機/半自動機を日常的に使える環境にはあるが、離れた場所、企画スペースなどで手軽にハンドプレスで使用したい。
・こだわりのあるメタル付属を多種類使いたいが工具類の費用を出来るだけ抑えたい。
・ボタン、又はリベットだけが入手出来てしまい、その後の取り付けに関するフォローを受けられない。
"吉打造"の注意・留意点です。
・自動機の多くは自動圧力機能を備え、コマもそれを前提に設計されています。ですのでハンドプレスでの仕上がりは手加減次第です。仕上がり確認には注意しなければなりません。もちろん従来式のコマでも仕上がり確認の重要性は変わりません。
・下コマ(Lower-Die)は従来のままになりますので、利用出来るアイテムは脚(プロング)のサイズ・形状にある程度限定されます。ただし現状はかなり多くのジーンズ用アイテムをカバー出来ると思われます。下コマ(ロアーダイ)もセットで使用したい場合は、YWZ-X「吉打造X(エックス)」 をご検討ください。
・ハンドプレスなので、人間の力、具体的には体重で上限が決まってしまいます。その点は動力を使う打機同等に作業する事は出来ません。硬い銅リベット等はアームを延長するなど工夫が必要な場合もあります。
デモンストレーション ムービー
VIDEO
ベースになったNo.109ハンドプレスはアーム長もそれなりの長さがあり、リベット作業が多い場合などにも適しています。
以下は実際に"吉打造"でソケットタイプを使用した例です。
A, B は1800年代後半のかなり古いタイプのタックボタンをモチーフにしたものです。
C, D, Eは同じく1900年前後か、それ以前の中央部分が凹みのあるボタン。Eのみ14mm
当時はボタンのシボリ加工技術の問題で、深い位置でタックを潰す必要があり、仕方なくこのようなデザインになったと考えられます。
左上側のリベットは4Rタイプに類するものですが、厚みがかなりうすいデザイン。手触りが自然で主張しません。
右上は2Rの貫通方式に対してこちらはシールドになっています。生地の深い位置でリベットが潰れロックするので、通常厚い生地は長いリベットを使いますが、このリベットは短い脚のものでしっかりロックします。ですのでこれは革製品にもおすすめします。逆に薄い箇所には向きません。
このようなボタンは特段の特徴はありませんが、きちんとしたプレスマシーンで取り付けるがどうかで、意外に差が出るのがこのようなフラットなボタンです。
ちなみに、このデザインは「13スターボタン」といい独立当時のアメリカ全州を表したアンティークボタンの代表的エンボスです。
ツープロングリベットのほとんどはバックポケットに使用しますが、微妙にサイズの違うものが存在します。
画像のリベットはやや小さめ(13 Ligne/8.2mm)のものです。
打ち抜きリベットで、少し材の太いものです。その差は通常2.4mmのところ2.7mm ですので、わずか0.3mm ですが、極々一部のプレミアムジーンズには使われているようです。
リベット止めのジャケットの襟のフック。ハシ-ハシで33mmのサイズがあります。
おそらく、このようにデニムで使う事はまずありません。
ソケット差し込み式コマ(9.5mm Upper-Die)
下コマ(ロアーダイ)もセットで使用したい場合はYWZ-X「吉打造X(エックス)」 をご検討ください。
上記アイテムについては、それぞれお問い合わせ下さい。(050-3613-9874, mail )
使用例は極々一部のコマと付属アイテムです。同様のアイテムもネジ式のもので存在するケースもあります。